アメリカ南西部に位置するアリゾナ州。砂漠地帯のイメージが強い地域ですが、ここ数年で日系企業の進出先として急浮上しています。州政府の積極的な企業誘致、法人税や固定資産税の優遇、そしてカリフォルニアやテキサスに比べた事業コストの低さが、多くの企業を引き寄せています。
また、日本からの直行便はないものの、ロサンゼルスやダラス経由でのアクセスも良好で、ビジネス展開における地理的ハンディはほとんど感じられません。
アリゾナ進出で最も象徴的なのが、半導体関連企業の動きです。TSMC（台湾積体電路製造）が2020年代初頭に大規模な工場をフェニックス郊外に建設開始したのを皮切りに、日本の素材メーカーや装置メーカーも続々と進出しています。
日本の精密加工、材料、機械分野の技術力は、アリゾナで求められているニーズと非常に相性が良く、すでに複数の企業が現地法人を設立。2025年にはさらなる拡大が見込まれています。
アリゾナには、日系製造業だけでなく、飲食、教育、人材サービス、物流、観光関連といったサービス業も進出し始めています。日系企業の集積が進めば、日本語対応のニーズや、日本流のサービススタイルへの期待も高まります。
特に、フェニックス都市圏やスコッツデールなどのエリアは、富裕層やリタイア層が多く、日本クオリティを求める市場も存在。こうした地域では、丁寧で高品質なサービスを提供できる日本の中小企業にとって、今が進出の好機と言えるでしょう。
アメリカで会社を設立する際には、州ごとにルールや手続きが異なりますが、アリゾナ州は比較的シンプルかつコストも抑えられるのが魅力です。LLC（合同会社）やC-Corp（株式会社）など、法人形態を柔軟に選べる点も進出企業には嬉しい要素です。
また、現地でのビジネスパートナー探しやオフィス・倉庫スペースの確保においても、日系支援団体や進出支援企業がサポート体制を整えており、初めてのアメリカ進出でも安心してスタートできます。
2025年、アメリカ経済の分散化が進む中で、アリゾナ州は確実に「次の拠点」としての地位を築きつつあります。大手だけでなく、中堅・中小企業にも門戸が開かれており、「まだ早い」と感じている方にこそ一歩を踏み出してほしいタイミングです。
日系企業ならではの強みを活かし、アリゾナで新たなビジネスチャンスを掴んでみませんか？