■ 1. サンディエゴに広がる日系企業の新たな動き...
2025年の米国進出最前線
1. 2025年、カリフォルニア進出企業の実態
2025年は、円安が続く中でも日本企業のアメリカ・カリフォルニア進出が堅調に推移した一年でした。特にIT、食品、サービス分野の中小〜中堅企業がロサンゼルス、オレンジカウンティ、サンノゼなどへ参入を進めています。ビジネスモデルとしては、B2Cだけでなく、現地企業向けのB2B・B2D(Business to Distributor)型の展開が増加。現地採用の拡大よりも、短期・中期の駐在員派遣と、リモートワーク体制を組み合わせる柔軟な運営が主流となりました。
円安による日本国内のコスト優位性を活かしながら、アメリカの高い物価・人件費に対応する形で、業務の一部を日本側に残す「ハイブリッド運営」が成果を上げています。
2. 成長著しいIT・食品・サービス分野
2025年の進出企業のうち、特にIT分野はクラウド、EC支援、システム開発などの需要増で成長が続きました。AIを活用した業務効率化やマーケティング支援は、日系企業だけでなく米国企業からの引き合いも増えています。
食品・外食業界では、日本食ニーズの高まりが追い風となり、冷凍食品、菓子、フードサービス業の参入が拡大。カリフォルニアでは“Japan Quality”が強いブランド力となっており、B2C販売だけでなく、小売店・レストランへのB2D展開も盛んです。
サービス分野では、移住・留学サポートや人材紹介など「日系コミュニティを支えるサービス」が安定した需要を維持しています。特に人材紹介・転職支援分野は、米国企業の採用回復も相まって2024年より強い動きを見せました。
3. アメリカ経済と日本経済が進出に与えた影響
2025年のアメリカは高金利政策の影響が残りつつも、経済は緩やかな回復基調となり、企業投資も徐々に活発化しました。一方日本では円安圧力が継続し、企業の海外展開意欲がむしろ高まった側面があります。
円安は進出コストを押し上げる反面、「米ドルベースでの売上増」というメリットを求めて進出する企業も増えています。特に売上の多くを現地で回収できるIT・サービス企業にとっては追い風となりました。
4. 2026年の展望:進出はさらに増加へ
2026年のカリフォルニア市場は、金利の段階的な引き下げが進むことで、投資・採用・消費が活発になると予測されます。これにより、日本企業にとっては以下の3つの機会が広がります。
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① IT・AI分野のさらなる拡大
生成AI活用サービス、EC支援、セキュリティ分野は特に成長が見込まれます。 -
② 食品・外食業界の市場拡大
米国全体で健康志向が強まる中、日本食の需要は引き続き上昇トレンド。 -
③ サービス・人材分野の需要拡大
移住・転職を希望する日本人の増加に伴い、サポートビジネスも追随。
また、円安環境は2026年も一定期間継続する可能性が高く、売上をドル建てで持ちたい企業にとってアメリカ市場の魅力は引き続き強い状況です。
5. まとめ:2026年は挑戦と拡大の年に
2025年は、急激な変動の中でもカリフォルニア進出が着実に広がった一年でした。2026年は、金利の安定と技術革新によって、日系企業にとってさらにチャンスが増える一年となるでしょう。IT、食品、サービスなど多様な分野で日本企業の存在感が高まり、駐在員派遣・移住ニーズも引き続き強まると見込まれます。